Academy Member × Architects -人気の建築家-

陽一郎

SHIMA YOUICHIRO

株式会社DIG DESIGN

嶌陽一郎

趣味:
世界中に建築を作る。フォトコンテストで受賞経験がいくつかあります。

ディグデザインは住宅のデザイン事務所ですがもっとも大事にしているのは構造計画です。無理のない長持ちする強固な構造があってこそ安心した毎日が送れると考えています。家にいれば安心、そんな住宅を造っています。

代表作品

  • 嶌陽一郎/worls

建築家になったきっかけ

子供の通った小児科で読んだ宮脇檀という建築家のスケッチをみて建築家という職業を知る。

小学校5年生の時に工事現場をみて建築家を志す。今思えば当時見てかっこいいと思った人は建築家ではなく、現場監督だった。

クライアント様へ

内装には木を使い、間接照明で空間を演出します。

LED電球のおかげでランニングコストを気にせず暖かみのある家づくりが出来るようになりました。

スペシャリティ

多く手掛けた設計対象

戸建住宅, 2世帯住宅, 増改築・リフォーム, 店舗併用住宅, 商業店舗・施設, 医療施設・ケアハウス, オフィス, マンション・集合住宅

多く手掛けた雰囲気

和風, レトロ, シンプル, シャープ, 木材の表現, 自然素材, 金属の表現, 照明演出

多く手掛けた敷地条件

狭小, 傾斜地, 変形地, 日陰地

最も多く手掛けた価格帯

5000万円台

優先項目

  • 1. 施主の意見
  • 2. コスト
  • 3. 構造
  • 4. 機能性
  • 5. デザイン性
  • 6. ディテール
  • その他

    メンテナンスの回数や金額を減らすような工夫

    優秀なスタッフが揃っているのでなんせ仕事が早い。

A×A TOPIC

「二世帯住宅」

各種税金の減額はさることながら、昨今の保育園不足や共働き世帯の増加などの時代背景もあり、いま二世帯住宅に注目が集まっています。

今回は二世帯住宅で生活している経験を生かし多くの二世帯住宅設計を手がけている建築家・嶌洋一郎先生にお話を伺いました。

まずは大事な距離感

二世帯住宅のポイントは世帯同士の距離感ですが、嶌先生の考える距離感とプランへの反映について伺いました。

嶌:

二世帯住宅を考えているご家族は「私だったら、あの人だったら、二世帯に住めるかも」のような可能性を感じていると思います。

とはいってもずっと一緒にいたいと思っているわけではないので、夫婦だけの時間、子供との時間、友人を招く時間、親・子世帯ともにそんな時間を楽しめる場所を作るのが僕らの仕事です。

この場所・時間は各家で違います。

私の場合は10軒以上の二世帯住宅をつくってきましたので、竣工した案件や自邸を案内してお施主さん自体にヒントを見つけてもらいます。

具体的な例も伺ってみました。

[Aさんご家族の場合]

親世帯:ご主人、奥様

子世帯:ご主人、奥様、お子様

嶌:

二世帯住宅を建てる際、まずAさんご家族から出た要望は

  • 将来賃貸として貸し出せるようにしたい
  • 親子が同じ会社で働いているので必要以上に密に繋がる必要はない

という2点でした。

その要望を叶えるために提案したプランは、玄関をそれぞれ東西真逆に配置し、1階が親世帯、2階が子世帯。内側からの繋がりがない完全分離型の二世帯住宅だったそうです。

嶌:

それぞれの生活、プライバシーを最大限確保したのと、将来貸した時に貸主と借主の顔を合わせづらくするためです。

お互い朝忙しい時に顔をあわせる必要はないし、お化粧や寝間着など心配事も減ります。

Aさん邸の外観

Aさん邸の外観。左手前が子世帯居住スペース(2F)の玄関。真裏に親世帯居住スペース(1F)の玄関がある。

プライバシーを最大限に確保した場合、親・子世帯間の交流がなくなってしまうことが気になります。

嶌:

親世帯には大きな縁側を作り子世帯や孫世帯が遊びに来て遊んだり食事したりするスペースをたっぷり取りました。

子世帯にも拡張できるダイニングテーブルを置いて親世帯や友人を呼んでコミュニケーションを取れるようにしてあります。

完全分離型のプランによる別世帯のような距離感を確保したことと、交流する時間を作りたくなる広い縁側の存在で、Aさんご家族は世帯間の交流がうまくいっているようです。

親世帯に設けた大きな縁側

親世帯に設けた大きな縁側。キッチンダイニングと隣接しているのでパーティーや食事も楽しめる。

それぞれの希望

一世帯の家庭であればだいたいは奥様とご主人の希望を聞き調整すればよいですが、二世帯住宅の場合はそう簡単にはいきません。

ヒアリングや設計面で工夫されていることを伺いました。

嶌:

二世帯の計画では親子間で言い合いになることが多く打合せは別々に行っています。

また、二世帯住宅はほぼ陣取り合戦のようなもの。ご要望をしっかりヒアリングし言いたいことを全て聞いた上で設計者としての提案で領域の問題を解決していきます。

特に若奥様が控えめで言いにくい立場になっていることが多いため、他の方のご要望をたっぷりうかがったあとで、改めて若奥様のご要望を寄り添うようにゆっくり聞かせてもらうようにしています。

先ほどのAさんご家族の場合は完全分離型なので親・子世帯で意見がぶつかることはなかったそうですが、子世帯の奥様とご主人の要望が合わず苦労されたそうです。

嶌:

奥様が子供にピアノを習わせたいとのことでリビングにピアノ設置を要望されましたが、手持ちの天童木工の家具に合うようナラ材を使った内装に合わないとご主人に反対されました。

そこでリビングの壁の塗装を3色のグレー色を使い分け、ピアノを設置する壁面には暗いトーンのグレー色を採用し黒のピアノとの調和を図りました。

このような問題にぶつかっても、設計面で柔軟に解決できるところは建築家設計ならではといったところでしょうか。

子世帯のリビング

子世帯のリビング。グレーの壁の効果で暗い色のピアノを置いても違和感がない。

Aさん邸のスケッチ

Aさん邸のスケッチ。パースやスケッチなど具体的な絵を見てもらうことで家族の不安を取り除いている。

最後に、これから二世帯住宅を建てる皆様へ

嶌:

自分が二世帯に住んでいることでいい面も悪い面も知っています。

私が27歳の未熟な時に立てたのですから尚更です。

10軒以上の二世帯住宅をつくってきた経験から、ある程度自由度を持ってつくって、生活が変わればその都度対応できるような柔らかいプランをお勧めしています。

親世帯の意見が強い家、男の意見が強い家、女性の意見が強い家、家族の形は様々です。

みんなが尊重しあえるための第三者の意見、それが建築家設計のメリットだと思います。

みんなで一つの家を作るわけですから、みんなの話をよく聞いて楽しい家づくりにしてほしいです。

アトリエ

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